総合大学の特徴を活かした、スポーツの技術力向上と健康・体力増進の研究を行っている研究所施設です。


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Newsletter Vol.1

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所長より

【歴代所長】

1988年~1994年
中野昭一 教授
1995年~1997年
斎藤 勝 教授
1997年~2000年
岩垣丞恒 教授
2001年~2002年
斎藤 勝 教授
2003年~2004年
堀江 繁 教授
2005年~2015年
寺尾 保 教授
2016年~現在
宮崎誠司

平成28年度から東海大学スポーツ医科学研究所所長を拝命いたしました宮崎誠司です。

東海大学スポーツ医科学研究所は1987年(昭和62年)10月1日に湘南校舎に設置され、1988年(平成元年)4月1日より開設されました。初代所長は故中野昭一医学部教授(生理学、体育学研究科教授、保健管理センター長)、次長は佐藤宣践体育学部教授(当時副学部長)です。その開設にあたって、当時の松前重義総長は「スポーツ、運動と医学の両分野は人間にとってもっとも身近な領域だけに、ヒューマニズム(人道主義)の具現化が強く要求されている。

このような意味において本学におけるスポーツ医科学の研究は、建学の精神を土台に、科学とヒューマニズムの調和による新しい文明社会建設を目指すものであらなければならない。スポーツ医科学研究所が生命の尊厳と創造の神秘に対し、謙虚に襟を正しながら、所期の目的に向かって邁進することを強く望む次第である」とスポーツ医科学研究所の目的やそのあり方について述べられています。

開設から30年になろうとする今、まさにその精神を原点に立ち返り「その研究成果を広く社会に還元し、人類の福祉と繁栄に貢献していくこと」を念頭に皆様にとって少しでも貢献できることを行っていきたいと思います。これにあたっては、皆様のご協力なくしてはできないことばかりですので、どうぞよろしくお願いいたします。

<トピックス>
15号館フィットネスセンターとトレーニングセンターがリニューアルオープンしました

2016年4月に15号館フィットネスセンター(FC)とトレーニングセンター(TC)がリニューアルオープンしました。2月から2ヶ月に渡る改修工事期間を経て、床や壁を刷新、トレーニング機器の全面入れ替えが行われました。

FCは「健康フィットネス理論実習」をはじめとする必修科目授業で使用され、授業後は在学生や教職員、卒業生へ施設を開放しています。今回の改修工事を期に、有酸素エリアはエアロバイクが40台、トレッドミルが14台と以前よりも拡充、筋力トレーニングマシンは同機種を2台ずつ12種類を揃え、授業の進行や利用者のニーズを配慮したレイアウトになりました。また、リニューアルオープンに併せて、教職員や一般学生を対象にした各種ショートレッスン(ピラティス教室やGボール教室など)や、管理栄養士による栄養相談ブースが設置されるなどソフト面も充実しています。

日本最大級の広さ(床面積1,080㎡)を誇るTCは主に体育会に所属する学生が使用する施設です。今回の改修工事を期に、フリーウエイトエリアが今まで以上に拡充されました(パワーラック16台、プラットフォーム16台、ベンチプレス台12台、ハーフラック6台、ダンベル1〜40kg ×3セット他)。夕方以降の混雑時には200名程度のアスリートが同時に利用し、熱気に溢れています。

2016年度スポーツ医科学研究所 所属教員のご紹介

宮崎 誠司:教授

体育学部武道学科

専門分野
スポーツ医学(整形外科学)
主な研究テーマ
筋紡錘の活動に関する研究、柔道の傷害の予防・治療に関する研究、物理療法の治療効果に関する研究

有賀 誠司:教授

専門分野
トレーニング科学
主な研究テーマ
近年、筋力トレーニングは、スポーツ選手の競技力向上、子どもの体力低下防止、一般の方の生活習慣病の予防、体型や姿勢の改善、高齢者の介護予防や生活の質の向上など、さまざまな対象や用途に広く活用されるようになりました。本研究室では、対象や目的に応じた筋力トレーニングの効果的なプログラムや実践・指導法に関する研究・開発を推進し、トレーニングの現場に貢献することを目指しています。
主な論文・著書
「方向転換動作改善のためのトレーニングに関する研究」「基礎から学ぶ!筋力トレーニング(ベースボール・マガジン社)」など

寺尾 保:特任教授

専門分野
生理学、運動生理学
主な研究テーマ
本研究所を特徴付ける人工的高地トレーニングシステム(低圧室)を利用した「スポーツ選手の競技力向上」の研究では、とくに、”箱根駅伝”に関する研究・支援を重点的に推進しています。本研究では、総合優勝を目標に、低圧室を利用した高地トレーニング(標高3000m)及び自然環境を利用した高地トレーニング(夏期高地合宿、帯同)を加えた相乗効果及び競技大会前のコンディションについて医科学データを基に追究しています。さらに、低圧低酸素環境下の歩行運動は、幅広い年齢層のヒトに対しても健康維持増進及び体力向上、生活習慣病の予防・改善に期待できるとして研究を推進しています。
主な論文・著書
「長距離選手に対する低圧低酸素環境下におけるスローランニングが運動終了後の自律神経系に及ぼす影響」

小澤 治夫:特任教授

専門分野
スポーツ教育学・発育発達学・体力科学
主な研究テーマ
子どもの体力・健康・生活、初等・中等教育における授業研究、ジュニア期のトレーニングとスポーツライフ・マネージメントなど
主な論文・著書
研究・教育論文約300編。著書70篇、ビデオ教材20篇。著書:「高校保健体育教科書(大修館書店)」「フィッ
トネス基礎理論(日本フィットネス協会)」「体育・スポー
ツ理論(大修館書店)」「生活習慣の改善と子ども力の育成(教育開発研究所)」など

宮﨑 康文:特任教授

専門分野
体力科学・環境保健
主な研究テーマ
野球選手の障害予防の観点から、現在「投手の投球数に関する研究」を行っています。調査対象者はS大学連盟に所属する選手であり、研究者は連盟に所属する大学の教員でプロジェクトチームが構成されています。投球数の基礎的資料として、「障害に関する先行研究調査」、「投球数制限に関する国内外の規定」、「リーグ戦における投手の投球数・投球数制限についてのアンケート」、「投球に関するバイオメカニクス的検討」等を進めています。

小山 孟志:特任講師

専門分野
体育方法学(トレーニング方法学)
主な研究テーマ
競技スポーツ現場において応用可能な知見を得ることを目的として学術分野にとらわれない実践的研究を行っています。 中でも球技スポーツ種目を中心に、体力要素の定量化や、競技特異的なトレーニング方法や評価方法について検討しています。

施設紹介(15号館)

施設借用希望の方は、15号館8階スポーツ医科学研究所事務室までお問い合わせください。

持ち出し可能備品

光電管(スピードトラップ)と、自立式ジャンプ高計測スケール(ヤードスティック)

マルチジャンプテスタ(マットスイッチのONとOFF情報を元に、バネ能力を要する動作の改善・指導に必要なデータを、現場の即時算出することが可能です。

<特集>
意外と身近な高地トレーニングとは?
寺尾 保(スポーツ医科学研究所特任教授)

高地トレーニングの原理・目的

高地とは、低圧、低酸素の環境のことで、効果的な標高は1500~3000mとされています。高地では酸素濃度が薄いため人間の体は酸素を取り込みにくくなり、血中の酸素濃度が低下します。体は環境に適応した酸素濃度を確保するために、体内で赤血球数やヘモグロビン濃度を増加させます。この体の適応能力を活かして結果につなげることを目的としています。

低圧室とは?

本学15号館7階には「低圧室」があります。低圧室を利用することで高地と同じような環境を人工的に作り出すことが可能となり、平地にいても高地と同じような効果が期待できるようになりました。この人工的な環境を用いたトレーニングがいわゆる“低圧(低酸素)トレーニング”と呼ばれているものです。

日本における高地トレーニングの導入当初はもっぱら持久力が要求される長距離ランナーが主役でしたが、複合的な効果がわかってきてからは本学においても瞬発力が要求されるバレーボール選手や野球選手、競輪選手なども利用されるようになってきています。

アスリートだけでない、健康維持増進にも大きな効果

トップアスリートの専有物と思われる高地トレーニングですが、実は一般の方の健康維持増進、メタボ対策にも効果があることが証明されています。例えば平地と高地で同じ時間のウォーキングをすると、脂肪の燃焼は明らかに高地が多く、しかも長時間持続するのです。

これまでに低圧室を利用された方の中には、健康診断で血圧や悪玉コレステロール値、血糖値などが標準以上と診断された一般男性の方がいます。そこで、高地環境下で運動をするよう医師に勧められたのです。週二回、三ヶ月間低圧室でのトレーニングを続けた結果、体脂肪量が減り、血圧などの数値は正常範囲になり、血管年齢が70歳から52歳に若返ったのです。

誰でもできる!意外と身近な高地トレーニング

一般の方が高地トレーニングをするのは実は簡単です。標高千数百mの高原をハイキングすれば十分な効果が得られるのです。学園関係者なら嬬恋高原研修センター(標高1400m)がお勧めです。周囲の豊かな自然とセンターの施設を利用した初級、中級、上級の各コースが用意されています。また、湘南校舎近くの箱根(駒ヶ岳)や丹沢山地に出かけるのも良いでしょう。皆さんも高地トレーニングを体験してみてはいかがでしょうか。


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東海大学スポーツ医科学研究所

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神奈川県平塚市北金目4-1-1
東海大学湘南校舎15号館8階

TEL:(東海大学代表)
0463-58-1211
FAX: (スポーツ医科学研究所事務室)
0463-50-2046

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