総合大学の特徴を活かした、スポーツの技術力向上と健康・体力増進の研究を行っている研究所施設です。


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Newsletter Vol.6

トピックス「第1回身体科学研究会」が開催されました

1月4日に「身体に係わる科学的・実践的研究を促進し、会員相互の情報交換を幅広く行うことによって、体育・スポーツの普及・発展に寄与すること」を目的として身体科学研究会が設立されました。
研究会の設立記念イベントとして3月9日に「第1 回身体科学研究会(会長:宮﨑康文先生)」が湘南校舎19号館で開催されました。当日は体育学部のみならず他学部の教員や学生、学外からの参加も含め総勢90 名を超える参加がありました。

第1回目となる記念シンポジウムは「高地トレーニングと低圧・低酸素室、その展望」と題して丹治史弥先生(国立スポーツ科学センター)にお話いただきました。その後に競技現場の指導者を代表して、先の箱根駅伝で悲願の初優勝を飾った陸上競技部長距離ブロック・ヘッドコーチの西出仁明先生(体育学部競技スポーツ学科)に「東海大学陸上部における高地トレーニングの現状とこれからの展望」についてお話いただきました。シンポジウム後は、場所をオープンマルチアトリエに移し、15演題のポスター発表が行われました。各所で多くの質問や意見、問題提起が飛び交い、盛況のうちに研究会は終了しました。本会は来年も同時期に開催予定。多くのご発表、ご参加をお待ちしております。

2019年度スポーツ医科学研究所 新規所属教員のご紹介

丹治 史弥 特任助教

【着任のご挨拶】

この度、スポーツ医科学研究所に特任助教として着任しました、丹治史弥(たんじ ふみや)と申します。
前職は国立スポーツ科学センターで2 年間、研究員をしていました。

走パフォーマンス、走の経済性、低酸素トレーニング、筋電周波数などをキーワードにこれまで研究をしてきました。また、研究で得られた成果を実際にアスリートへ応用させ、パフォーマンス向上のサポートをしてきました。東海大学でも低圧・低酸素環境を用いたトレーニングを様々な競技の学生アスリートのパフォーマンス向上へ応用・発展させられたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【専門分野】

運動生理学、体力学

【研究内容】

陸上競技中長距離走パフォーマンスを決定する要因の一つである走の経済性 ( ランニングエコノミー) に関する研究を行っています。とりわけ、低酸素環境やプライオメトリックを用いたランニングエコノミーを改善させる効果的なトレーニング方法について検討しています。加えて、それらの改善の機序についても調査しています。得られた研究成果は、実際にアスリートに応用できるように落とし込み、研究と実践の両立を目指しております。

【主な論文】

  • Tanji F, Nabekura Y. Oxygen uptake and respiratory ratio relative to the lactate threshold running in well-trained distance
    runners. J Sports Med Phys Fitness. 2019.
  • 丹治史弥, 鍋倉賢治. 中長距離ランナーにおけるステップ変数と走の経済性の縦断的変化の関係. 体育学研究. 62: 583-594. 2018.
  • Tanji , Tsuji T, Shimazu W, Nabekura Y.Relationshipbetween800 - mRunning performance and aerobic and anaerobic energy
    metabolismcapacitiesinwell - trained middle-distance runners. Int J Sport Health Sci.16: 70-76. 2018.
  • 丹治史弥. 高強度走行中のRunning Economy と中長距離走パフォーマンス. 陸上競技研究. 113:1-9. 2018.

「第3回フィジカルトレーニングセミナー」が開催されました

3月2日に東海大学湘南キャンパスで「第3 回フィジカルトレーニングセミナー」(東海大学スポーツ教育センター、スポーツ医科学研究所共催)を開催しました。

近年、競技力向上や健康維持増進を目的にレジスタンストレーニングを行うことが一般的になってきています。しかし、スクワットに代表されるレジスタンストレーニングは、シンプルな運動であるが故にただ闇雲に行うと競技力や健康に対してネガティブな影響が出るケースが少なくありません。

今回は、「Move Smart, TrainHard!- しっかりトレーニングするために、” いい動き”を身につける-」を題し、第一線で活躍されるトレーニング指導者をお招きしました。当日は、各競技種目のトレーニング指導者をはじめ、パーソナルトレーナーの他、本キャンパスで活動するサークル「スポーツサポート研究会」に所属する学生ら約40 名が参加しました。

講師には、伊藤良彦氏(©R&S COMPANY 代表取締役)が登壇。伊藤氏はプロチームの現場でのトレーニング指導に従事するほか、R-Body projectテクニカルアドバイザー、また全国各地にてセミナー活動なども積極的に展開されています。

今回は、基本的なレジスタンストレーニング種目を” レベル高く、クォリティ高く”行っていく上で必須となる各種目のスタビリティやモビリティに着目して、これらの改善がどのように各種目の実践に役立つかを実戦形式で紹介していただきました。参加者からは「普段チームで活動している中でどうしてもおろそかになってしまうベーシックな部分を再確認できる内容で有意義であった」、「スクワットの際に出る代償動作に対してどのようにアプローチすればよいかの悩みが解決できた」といった感想が聞かれました。

次回は2020年3月開催予定。

スポーツ教育センタースポーツ課より
フィットネスセンターの利用新規登録・更新がWeb上で可能になりました

登録はこちらから
http://www.tokai-sports.com/fitness2/

1.スポーツ教育センターサイトの以下のボタンから登録・更新を行ってください。
施設利用新規登録・更新はホームページのバナーより登録画面に移動してください。

2.画面では学生番号、または、教職員番号を入力して登録・更新手続きをおこなってください 。

新規登録の方

カレンダーにて講習会の日時を選択して、必要事項を入力し、登録してください。
自動返信メールにて、確認メールと受講料の案内がありますので、講習会前日までに必ず証紙を購入して当日持参してください。

更新の方

更新画面に必要事項を入力し、更新登録をお願い致します。
自動返信メールにて、確認メールと更新料の案内がありますので、手続前日までに必ず証紙を購入して当日持参してくだささい。

特集;低酸素環境トレーニングのこれから[丹治史弥(スポーツ医科学研究所 助教)]

長距離選手の成果を様々な競技種目へ応用

運動パフォーマンスを向上させるためのトレーニングの一つとして、低酸素環境を用いたトレーニングが知られています。従来、低酸素環境トレーニングは、高地で滞在し、低地に移動してトレーニングを行う、 Living-High, Training-Low というモデルが主流です。しかし、高地での滞在によってトレーニングによる疲労が抜けにくいこと、移動に伴う疲労が大きいこと、全てのアスリートに適応 ( ヘモグロビンの増大やそれに伴う最大酸素摂取量の改善) が認められないこと、などが問題視されてきました。

一方で、近年、低酸素環境を生み出す装置などが大学や研究施設でも購入できるほどに普及してきました。そのため、トレーニング時のみ低酸素環境に暴露するモデルの有用性が検証されています。

筆者を含めた国立スポーツ科学センターの研究グループでは、男子大学生長距離選手を用いて、5日間連続の低酸素環境 ( 酸素濃度14.5%) または常酸素環境 ( 同20.9%) におけるスプリント系と持久系を組み合わせたトレーニングによる効果を検証しました。その結果、常酸素環境を用いてトレーニングをした選手たちは走パフォーマンスの変化が認められなかった一方、低酸素環境を用いてトレーニングをした選手たちの走パフォーマンスは、トレーニング終了1週間後に20% 以上の向上が認められました。またその原因として、走りの経済性 ( ランニングエコノミー) の改善が認められました。その機序について、筆者たちは走行中の筋線維タイプの動員割合が変化したことに寄与していると仮説を立てて、現在さらに調査をしています。

加えて、国立スポーツ科学センターでは日本陸上競技連盟の要請を受けて、女子短距離選手たちにも同様の低酸素環境トレーニングを3 日間実施させました。その結果、無酸素性能力 ( 最大酸素借) の改善や走パフォーマンスの向上を認めています。

これらの結果は、低酸素環境を用いたトレーニングが短期間で持久系やスプリント系の走パフォーマンスを向上させられることを示しています。また、低酸素環境トレーニングの方法を変化させることによって、様々な目的に応用できると考えられます。今後は低酸素環境トレーニングによって様々な競技種目におけるパフォーマンスを向上させる方法を探ろうと思っております。


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